あまりにも大きな先達の旅立ち

人は生まれたときから死ぬことを運命付けられています。
いえ、人に限らず、命あるものは必ずいつかは……。
だけど、その別れ、悲しみを「人は必ず死ぬんだから」という言葉で片付けられる訳はないと思うのです。
僕の祖母は、昨年の秋、亡くなりました。
もう何年も会っていなかったのですが、やはり寂しくて悲しくて。仕方ないと思いながら……嫌でした。

そして昨日、同じような思いに駆られました。
大塚周夫さん、死去。

お会いしたことはありません。
でも、まさに、生まれた頃から聞いていた声です。
ブラック魔王、ねずみ男、石川五右衛門、ヨミ、ノロイ、ゴルテウス、バルゼー提督、ボスマン、海原雄山、シナプス艦長、数え上げたらキリがないほど多くのキャラクターで声を聞いていました。
こう挙げてみると、コミカルなキャラからハードなキャラまで、本当に多彩で……。
あまり洋画は見ないので、チャールズ・ブロンソンくらいしか分かりませんが、そのハマリ具合に、アニメーションよりは洋画向きの方だったのかなという気がしています。
時々顔出しでドラマに出ていらっしゃるのを見ると妙に嬉しかったりと、失礼な言い方かもしれませんが、大好きな大先輩声優です。

ご冥福をお祈りします、という言葉は、僕は使いたくありません。
確かに天国でも幸せでいていただきたいのですが、どうも自分の中ではしっくり来ないんですよね。
日常の中で、きっと忘れてしまうことだから。
「そう言えばなくなったよな」
ってしばらく経って思い返すことの多いこと多いこと。
だから僕は、その時その時でちゃんと言葉にしたいと思います。
ご本人に伝わるわけはないと思いますが。

今まで本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

寂しいですね。